日本でいう消費税のような税金でありますVATがインドネシアにおいて課せられることは以前の記事で解説させて頂きました。このVATについて、実は全ての企業に課せられるわけではなくVAT課税事業者登録されている企業にのみ課せられております。当記事ではこのVAT課税事業者登録について解説をさせて頂きます。
以下の様な人におすすめ!
・インドネシアに進出されて間もない企業にお勤めの方
・インドネシア進出を検討されている企業にお勤めの方
✔️本記事の信頼性(筆者紹介)
- 田島 寛之 Hiroyuki Tajima
- 日本国公認会計士 Certified Public Accountant (公認会計士協会登録番号:37299)
- 国際税務コンサルティング経験豊富(2018年より2年間タイ、2020年より3年間インドネシア)
- インドネシア税務資格Brevet AB保有
- インドネシア現地コンサル会社複数社の顧問会計士を務める
- Universitas Lampungにて非常勤講師を務める
VAT課税事業者登録とは
VAT課税事業者(PKP)として税務署に登録されている企業は、VATを申告納税する義務を負います。VAT課税事業者は得意先にVATを請求することになりますが、e-fakturという税務署システムを通じ売上取引ごとにFaktur Pajak(Tax Invoice)を発行し得意先に発行する必要がございます。
Tax Invoiceはe-fakturという税務署オンラインシステムでのみ作成が可能でございます。これは、不正にTax Invoiceを発行し、過剰な仕入税額控除が行われることを防ぐための措置で、税務署がTax Invoiceを連番で全て管理できるようになっております。
VAT登録が必要な事業者は年間売上高によって判断され、年間売上高が48億ルピア(4,800,000,000 IDR)以上の会社は義務となっております。年間売上高が48億ルピア未満の会社は登録が任意となっております。
登録しない場合の注意点
上述の通り、年間売上高が48億ルピア未満の会社はVAT課税事業者登録が義務付けられておらず、登録をしない場合はVATの申告納税義務を負いません。設立初期などは年間売上高が48億未満という状況も大いにあり得るかと存じますため、VAT登録をなさらない方がよく見えますが注意点もございます。
VAT登録をしない場合は売上VATを認識及び納税する必要がございません。小売業などB to Cでのビジネスの場合、消費者が負担するVATが無くなり、価格競争の面でVAT登録していない会社は有利となると言えます。
一方、仕入先から請求された仕入VATについて仕入税額控除及び還付申請ができなくなります。そのため仕入VATがまるまる貴社負担となってしまいます。また、VAT登録をしていないサプライヤーとは取引をしないといった企業もございますので、ビジネスによってはVAT登録しないことが必ずしもメリットとは限らないことになります。
年間売上高が48億ルピアを超えた翌月末までにVAT登録が必要となり遅延してしまうとペナルティが発生することになりますので注意が必要でございます。
まとめ
本日はVAT課税事業者(PKP)登録について解説をさせて頂きました。年間売上高48億ルピア未満の段階でPKP登録するか否かはビジネスの形態によっても判断が分かれますため十分にご検討の上でご判断いただければと存じます。ご不明点等ございましたらお気軽に「お問い合わせフォーム」よりご連絡頂けますと幸いです。
最後までお読み頂きまして誠にありがとうございました。